介護の話をする前に、一つ言いたいことがある。
筋肉少女帯が、好きだ。
あの、ぶっ飛んだ世界観と、
哲学的でありながら、どこかバカバカしい歌詞と、
鋭い毒をまぶしたペーソス。
哲学的でありながら、どこかバカバカしい歌詞と、
鋭い毒をまぶしたペーソス。
たまらなく好きだ。
彼らの曲は、人生の不条理と向き合うための音楽だと思っている。
「生きるとは何か?」
「死ぬとはどういうことか?」
そんな問いを、真面目に、だけどふざけながら投げかけてくる。
「生きるとは何か?」
「死ぬとはどういうことか?」
そんな問いを、真面目に、だけどふざけながら投げかけてくる。
で、それが、なぜか介護の現場と妙に重なるのだ。
「踊るダメ人間」と介護のリアル
「ダメ人間! ダメ人間!」
あのフレーズを知らない人はいないだろう。
あのフレーズを知らない人はいないだろう。
一見するとただの脱力ソング。
でも、よく聞くと、「ダメであること」の肯定なんだよな、あれは。
でも、よく聞くと、「ダメであること」の肯定なんだよな、あれは。
介護の仕事をしていると、「ダメであること」を受け入れる場面が多々ある。
利用者さんは、できなくなったことを受け入れながら生きている。
介護職員も、完璧になんてできやしない仕事を抱えながら、
それでも毎日、なんとか踏ん張っている。
利用者さんは、できなくなったことを受け入れながら生きている。
介護職員も、完璧になんてできやしない仕事を抱えながら、
それでも毎日、なんとか踏ん張っている。
「ダメでもいいじゃないか!」
そう言いながら、最後は結局、踊るしかないのだ。
そう言いながら、最後は結局、踊るしかないのだ。
「元祖 高木ブー伝説」と高齢者の自由
「これ、うちのデイサービスの利用者さんたちのテーマソングにしたい」と思った。
介護の世界って、どうしても「生活の質を保つために」とか
「安全のために」ってルールが増えがちだ。
もちろん、それは大事なこと。
でも、利用者さんたちの中には、「俺は俺のやりたいように生きる!」って人がいる。
「安全のために」ってルールが増えがちだ。
もちろん、それは大事なこと。
でも、利用者さんたちの中には、「俺は俺のやりたいように生きる!」って人がいる。
デイサービスに来ても、決められたスケジュールには乗らず、
「俺は昼寝する!」と宣言する人。
「レクリエーション? そんなもんより、競馬新聞読ませろ!」って人。
「俺は昼寝する!」と宣言する人。
「レクリエーション? そんなもんより、競馬新聞読ませろ!」って人。
そういう姿を見ると、思う。
「ああ、この人たち、生きてるな」
「ああ、この人たち、生きてるな」
自分の好きなことを貫く、
それこそが「生活の質」なんじゃないかって。
それこそが「生活の質」なんじゃないかって。
「香菜、頭をよくしてあげよう」と認知症ケア
この曲のタイトルを聞いて、
「なんかちょっと介護っぽい」と思った私は、もう筋少に毒されている。
「なんかちょっと介護っぽい」と思った私は、もう筋少に毒されている。
認知症のケアって、結局のところ、
「頭をよくする」とかじゃなく、
「その人が、その人らしく生きるために、どう関わるか?」だと思っている。
「頭をよくする」とかじゃなく、
「その人が、その人らしく生きるために、どう関わるか?」だと思っている。
何かを思い出せるようにするんじゃなくて、
忘れても大丈夫な環境をつくること。
正しい言葉を使えるようにするんじゃなくて、
伝えようとする気持ちを受け止めること。
忘れても大丈夫な環境をつくること。
正しい言葉を使えるようにするんじゃなくて、
伝えようとする気持ちを受け止めること。
この仕事をしていると、
「正しさ」よりも「寄り添うこと」のほうが、よっぽど重要だと気づく。
「正しさ」よりも「寄り添うこと」のほうが、よっぽど重要だと気づく。
最後に、介護の話をしよう
介護の現場は、ロックだ。
予定通りにいかないし、思い通りにならない。
でも、その中で、「なんとかするしかない」っていう
妙なエネルギーに満ちている。
予定通りにいかないし、思い通りにならない。
でも、その中で、「なんとかするしかない」っていう
妙なエネルギーに満ちている。
筋肉少女帯の歌詞みたいに、人生は時に理不尽だ。
だけど、その理不尽さの中で、
それぞれの「生きる」を見つけるのが、介護なんだと思う。
だけど、その理不尽さの中で、
それぞれの「生きる」を見つけるのが、介護なんだと思う。
今日も私は、デイサービスで利用者さんと話す。
「なあ、最近の音楽はつまらんな」
「じゃあ、筋肉少女帯でも聴きます?」
「……なんだそれは?」
「なあ、最近の音楽はつまらんな」
「じゃあ、筋肉少女帯でも聴きます?」
「……なんだそれは?」
いいから聴いてみてくれ、おじいちゃん。
意外とハマるかもしれないぜ。
意外とハマるかもしれないぜ。
ー あにーさん